その後、父は風邪は回復したものの、
一進一退。
やっぱり、これまでかなあ、
結局、気功なんて、何の役にも立たないなあ、
毎週、父の容態をみて、
ちょっと、悲しい気持ちになりました。
そして、真剣に父に聞いてみました。
お父さん、本当に生きたい?
すると、父はきっぱりと、
「春になったら、釣りに行きたい!
足もなおすし、腰もなおす!
絶対に元気になってみせる!」
そう断言したのでした。
第二次世界大戦の東京大空襲を経験し、
家の屋根をぶちやぶって、爆弾が目の前に落ちたのに、
たまたま不発弾で難を逃れたり、
戦後の食料のない時に、蛇や、野草や、カエルを食べ
食いつなぎ
戦後の復興で、休みなしで、ひたすら、がむしゃらに働き、
そんなことを乗り越えてきた人のガッツは、
やっぱりただごとじゃないのでした。
その父のやる気に、私の方のやる気が、喚起されました。
そして、
それならば、と、父にマッサージをするだけでなく、
同時に、自分でやってもらえる簡単な気功法を教えはじめました。
かちかちに固まってしまった身体をほぐして、ゆるめていってもらう、
そんな功法を選んで、伝えました。
真面目な性格の父は、
足が悪くても、なんとかできる気功法を毎日、
30分から1時間、続けはじめました。