ここ東京は、小学生で受験の塾に通い、中学受験をする方はとても多いです。
もちろん受験ですから、成功することもあるし、第一志望に入れないこともあります。特に、中学受験の合格枠は、希望する人よりかなり少なく、合格率も厳しくてなかなか難しいようです。
けれども合格できなくても、公立中学には誰でも入れますから,全く悲観することもありません。近くて通いやすいですし、通学にかからない空いた時間は自由に好きなことをして過ごせます。
中学受験に対し、幸い高校受験は少子化で、全体の合格枠は希望者より多いくらいなのでしょうか。私立の単願推薦でしたら、中学でそれなりに学校の勉強をしていましたら、結構なところに入れます。合格枠の少ない中学校を大変な勉強をして争って受験するよりも、同等レベルの学校に高校から入学するのはずっと楽な印象です。
また、公立高校を受験して、もし失敗しても私立併願という方法があって、必ず私立には入学できるシステムがあります。
今は私立大学のかなりよいところでも学校推薦で入りやすい時代です。
中学からでないと入学できない学校に、お子様のたっての希望でどうしても入学したい場合や、ものすごく飛び級できるくらい頭がよくて公立の勉強では浮いたり退屈してしまうなどの事情がない限り、あわてて、大変な思いをして中学受験をする必要は、少子化の現在はあまりないのかもしれません。
ただ、私のところには、この、別にしなくても構わない中学受験で、大変な挫折や恐怖心、劣等感、自己不信をもってしまい、その後の学校生活や人生に支障をきたしているお子様が途切れることなくいらっしゃいます。こんな小さなマイナーな気功屋においてもそうなのですから、一般の医療機関に同じようなことでお困りになり、受診される方は少なくないのではないかと想像ができます。
この事実も、ぜひ、今後中学受験をさせようと思っているご両親がいらっしゃいましたら、お伝えしておきたいと思います。
大変な中学受験には、向いている性質のお子様、向いていない性質のお子様がいらっしゃるようです。
向いていないと思われるお子様は、感受性の強いお子様、繊細な感性をお持ちのお子様、体がそんなに丈夫でないお子様、競争するのが苦手なお子様、やさしいお子様、物事を真剣にとらえる真面目なお子様、言われたとおり実行しなければダメと思うお子様、塾をサボれないお子様、おとなしいお子様、など。
入塾を決める際も、まわりのお友達の雰囲気や、親の気持ちを読んで、行きたい!と言ってしまったりしますので、注意が必要であったりもします。また、まわりの人の気持ちに自分の人生を委ねすぎて、本人が本当は行きたくないという気持ちに気がついていないケースもあります。
入塾したあとも、もし、塾に行きたくない、と勇気を持ってそのお子様が言えたならば、また、何か態度や体の不調という形で訴えてきましたら、ぜひその声に耳を傾けてみてください。そして、その訴えを全面的に認めていただければと思うのです。
実は受験を途中でやめてもダメージが残ってしまうことがあります。
小学校に行けば、お友達が受験の話をしている教室で、いたたまれない気持ちになるかもしれません。中学生になってからも、最後までできなかった自分、他の友達は成功したのに、自分は途中までだった、なんてだめなんだろう、そんなふうに他と比べたりして、自分をせめてしまったりします。そうすると、中学での学校生活においても、影響を残してしまいます。
通塾、勉強に体力を使いすぎて、同時に激しいストレスもあるのでしょう。お子様であるのに腎臓が萎縮し、心はザラザラになってしまっているのを見ることもあります。虐待、いじめを受け続けた子供、また過去にそのような経験のある大人にも同じような状態が見られることが多いです。西洋では、アドレナルファティーグというような状態。戦闘状態が長く続く異常事態により、抗ストレス物質を出し続けたせいで副腎が疲労しきった状態と考えます。東洋医学では腎虚です。しばらくの間のんびり休養、栄養のある消化に負担をかけない食べ物、ストレスのない環境が必要です。少し時間がかかりますが、お子様ならば回復もはやいと思います。
逆に受験にむいていると思われる気質のお子様は、楽観的だったり、合格できればもうけものさ!と思っていたり、体力が充実していて部活に大変な勉強でもいつでも元気、競争することが大好きだったり、問題をこなすことに快感を覚えたり、そもそも頭がよいので勉強しなくても勉強できたり、平気で自分のペースでサボれたり。先生や親に怒られても平気。言われたことでも聞きたくないことは自然にスルー。そういったお子様は大丈夫なのです。立派に合格を勝ち取ったり、不合格でも、長くダメージを受けるほど気にしません。塾をいやになってやめても、やったー、自由だ!と喜んでいたりします。
そして、だから受験に向かないお子様より偉いというわけではなく、ただ、個性が、性質が違うだけなのです。
東京のこのあたりは、小学生でも塾に行かない方が勇気がいるくらいです。中学を受験するのが当然という風潮もあります。けれども、お子様の気質、性質、性格、体力などによっては高校受験からでいいケースもあるのだということを、知っておいていただければと思います。
塾の華やかな、祝!合格者の宣伝の陰で、大変な受験、戦いによる犠牲者がでないことを願っています。
そして、受験にあわない体質、性質のお子様が、もし中学受験をやめることになったとしたら、がっかりしたり、他の子供と比べたりせず、大好きなこと、得意なところを、塾の受験勉強などという限られた学習、限定された合格基準などによらずに、自由にどんどん伸ばしていただけたらなあ、と思うのです。そしてたくさんたくさん、褒めて、感動を伝えて欲しいと思います。それは、自信、自己を認める大きな力となります。他の人の個性を認める大きな力になります。結果的に幸せで豊かな人生の土台ができます。
そういったお子様は得意なことを伸ばすと、高校受験で推薦入学をするのにメリットにもなるでしょう。
もう、すぐに夏休みがやってきます。楽しく、自由な遊び、自由な研究をして、創造性や協調性を自然と養い、のびのびとすごせる小学生が多くなりますよう。
*下北沢近辺にお住まいの方で最短時間での勉強でよい結果のだせる限りなく自由な塾について知りたい方。自習が得意なお子様は、公立中学で塾に行かずとも学校の成績が楽にあがる問題集など、ご興味がありましたら、講座や気功療法にいらした際、きいてください。その上で余った自由時間はのんびり楽しくすごしていただきたいと思っています。